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危機発生時の疲労管理:看護師、管理者、および他の医療従事者に向けた指針

Posted on by Beverly M. Hittle (PhD, RN)、Imelda S. Wong(PhD), Claire C. Caruso(PhD, RN、FAAN)
写真©GettyImages

危機発生時、重症患者の搬入の増加、業務上のストレスの増加、超過勤務の必要性の増加を含め、かつてない困難な業務負荷の中にあっても、医療従事者(例:看護師、専門看護師、医師、准看護師)は医療行為を継続します。こういった業務負荷は既に厳しい勤務環境(すなわち、12時間シフト、夜勤)と合わさり、しっかりと回復するためのシフト中の通常の休憩時間やシフト間の休日など、十分な休憩・休日の確保を難しくしています。これらの業務上の因子のすべて(すなわち、身体的、心理的、および/または精神的負荷)が睡眠不足と重なることで疲労に繋がります1-3

 

疲労した医療従事者は自分自身の健康および安全を脅かす可能性があり、それには感染症に対する感受性の増加4、針刺し5、業務に関連した筋肉損傷6、燃え尽き症候群7、さらに患者に対する医療過誤が含まれます8,9。災害時や病気の蔓延中に看護行為にあたる看護師では10,11不眠、極度の疲労、不調、うつ症状が報告されています。

医療システムが医療行為を必要とする人で溢れている際、これを避けることは困難です。この期間、医療従事者らの疲労は不可避かもしれません。では、雇用主と医療従事者はいかにして医療行為の高需要と、従業員らを疲労から守る必要性との間のバランスをとることができるのでしょうか。従業員と管理者は積極的に責任を共有し、個人的および職場での戦略を通して疲労に関連した怪我やインシデント発生のリスク、ならびに疲労リスク管理システムをコントロールしなければなりません3,12。例えば手順の1つとしては、医療従事者の睡眠が質の高い医療行為を届けるために必須であると理解することです。注意力と健康の維持に必要であるため、従業員と管理者は毎日の回復時間に加えて7時間以上の睡眠をとることを予定に組むように努めるべきです。疲労の管理は共通の責任であり、公衆衛生の危機発生時にその組織の医療サービスの持続可能性を担保し、従業員と患者の健康と安全を守ります。

実用的な疲労管理のヒント:13,14

医療従事者へ向けて-

    • 十分に休養がとれたと感じるまで、可能な限り職場以外の場面での責任を減らし睡眠を優先してください。
    • 入眠が難しい場合(15~25分超)、眠りにつくのを助けるリラックス用アプリや技術・方法を利用してください。
    • 寝室での就寝前の習慣を作り、睡眠環境を快適に、暗く、涼しく、静かに保つようにしてください。
    • 就寝前最低2~3時間はアルコール飲料、辛い食べ物、ニコチンの摂取を避けてください。
    • 就寝前最低5時間はカフェインの摂取を避けてください(カフェインに対して過敏な場合はより長い時間)。
    • 体内時計のシステムを刺激して覚醒を促進してしまう可能性があるので、就寝前の1.5時間は日光/明るい光を避けてください。
    • 疲労を減少させるために戦略的に時間配分をした仮眠をとるようにしてください。短い仮眠(15~30分)は業務の疲労を減少することができます。長い仮眠(1.5時間)は夜勤の疲労を予防することができます。
    • お互いがどのように対処しているかを確認し合う仲間(バディ)になれる同僚を一人見つけてください。
    • 自分自身と同僚の疲労の兆候と症状に注意を払ってください(例:あくび、集中力の欠如、情緒不安定、誤った判断、コミュニケーションの低下)。
    • 疲労困憊で業務にあたれないと感じる場合は管理者に報告してください。

管理者へ向けて-

    • 必要に応じて業務の柔軟性についてスタッフと話し合い、業務可能時間が制限される可能性のあるスタッフへの影響を避けてください。従業員が頑強な業務外支援実行計画を立てることができない場合、過度のストレスを引き起こし、回復に専念するための休息時間を減少させます。
    • コミュニケーションを取る時間をスタッフに毎日与え、業務時間の必要性や業務工程に関する情報を共有してください。
    • 睡眠とセルフケア戦略についてスタッフを教育してください。
    • スタッフに対して(12時間を超える)長時間のシフトを組まないよう努めてください。長時間のシフトは疲労に関連したインシデント発生のリスクを増やし、さらに、感染症や職場における他の危険への曝露時間を増加させます。
    • 危機の際には、十分な睡眠と回復のために、シフト間に(24時間ごと)最低10時間、7日ごとに丸1日の休息時間を与えてください。
    • 短い仮眠や食事のためのより長い時間など、スタッフがシフト中に2時間ごとに短い休憩をとるよう戦略をしいてください。
    • 現場での支援サービス(例:洗濯、仮眠室、健康的な飲食物)の提供を考慮してください。
    • 疲労の兆候と症状(すなわち、あくび、集中力の欠如、情緒不安定、誤った判断、コミュニケーションの低下)についてスタッフを観察してください。
    • すべてのスタッフに、疲労の兆候と症状および他の不良な健康転帰を観察する立場の仲間(バディ)が一人いることを確認してください。
    • 従業員が自分自身や同僚が疲労困憊で、危険な状況に繋がる可能性があるため、業務につけないと感じる場合に、従業員が報告するための方法や手順を設けることを検討してください。

追加情報:

緊急レスポンダー用NIOSHトレーニングプログラムは、緊急および有事の状況下における疲労予防のための追加教育を提供します。トレーニングの所要時間は約30分です。

準夜勤や夜勤をされている方は、シフト制および長時間勤務の看護師用NIOSHトレーニング、パート2、モジュール9にある準夜勤および夜勤シフトに特化した追加教育(所要時間はおよそ12分)を利用できます。

より総括的なトレーニングプログラムとして、すべての看護師と看護管理者がシフト制および長時間勤務の看護師用NIOSHトレーニングを利用できます。トレーニング全体の所要時間はおよそ3.5時間で、完了すると継続教育単位が取得できます。

あなた自身またはあなたの雇用主には疲労リスクの管理についてどのような戦略がありますか。

 

このブログは「看護師の年」に看護師たちをたたえようとNIOSHが投稿している連載の一部です。

ブログの英語版はこちらから閲覧可能です。

 

Beverly HittlePhDRN)は国立労働安全衛生研究所総合科学部門の博士研究員です。また、シンシナティ大学付属看護大学の学部において、看護師の健康と安全を専門としています。

Imelda WongPhD)は、国立労働安全衛生研究所総合科学部門の勤務時間および疲労ワークグループの共同委員長およびインダストリアルハイジニスト/疫学者です。

Claire CarusoPhDRNFAAN)は研究健康科学者であり、国立労働安全衛生研究所総合科学部門の勤務時間および疲労ワークグループの共同委員長です。

 

参考文献:

  1. Wong IS, Popkin S, Folkard S. Working time society consensus statements: A multi-level approach to managing occupational sleep-related fatigue. Industrial Health. 2019;57(2):228-244.
  2. Caruso CC, Baldwin CM, Berger A, et al. Position statement: Reducing fatigue associated with sleep deficiency and work hours in nurses. Nurs Outlook. 2017;65(6):766-768.
  3. Lerman SE, Eskin E, Flower DJ, et al. Fatigue risk management in the workplace. J Occup Environ Med. 2012;54(2):231-258.
  4. Bryant P, Trinder J, Curtis N. Sick and tired: does sleep have a vital role in the immune system? Nature Reviews Immunology. 2004;4:457-467.
  5. Weaver MD, Landrigan CP, Sullivan JP, et al. The association between resident physician work hour regulations and physician safety and health. The American Journal of Medicine. 2020;In press.
  6. Caruso CC, Waters TR. A review of work schedule issues and musculoskeletal disorders with an emphasis on the healthcare sector. Industrial Health. 2008;46(6):523-534.
  7. Chin W, Guo YL, Hung YJ, Yang CY, Shiao JSC. Short sleep duration is dose-dependently related to job strain and burnout in nurses: A cross sectional survey. International Journal of Nursing Studies. 2015;52(1):297-306.
  8. Rogers AE, Hwang W-T, Scott LD, Aiken LH, Dinges DF. The working hours of hospital staff nurses and patient safety. Health affairs. 2004;23(4):202-212.
  9. Lockley SW, Barger, L. K., Ayas, N. T., Rothschild, J. M., Czeisler, C. A., Landrigan, C. P. Effects of Health Care Provider Work Hours and Sleep Deprivation on Safety and Performance. The Joint Commission Journal on Quality and Patient Safety. 2007;33(11):7-18.
  10. Su T-P, Lien T-C, Yang C-Y, et al. Prevalence of psychiatric morbidity and psychological adaptation of the nurses in a structured SARS caring unit during outbreak: A prospective and periodic assessment study in Taiwan. Journal of Psychiatric Research. 2007;41(1):119 – 130.
  11. Yokoyama Y, Hirano K, Sato M, et al. Activities and Health Status of Dispatched Public Health Nurses after the Great East Japan Earthquake. Public Health Nursing. 2014;31(6):537-544.
  12. Dawson D, McCulloch K. Managing fatigue: it’s about sleep. Sleep medicine reviews. 2005;9(5):365-380.
  13. Caruso CC, Funk R, Butler CR, et al. Interim NIOSH Training for Emergency Responders: Reducing Risks Associated with Long Work Hours. https://www.cdc.gov/niosh/emres/longhourstraining/. Published 2014. Accessed.
  14. Livornese K, Vedder J. The emotional well-being of nurses and nurse leaders in crisis. Nursing administration quarterly. 2017;41(2):144-150.
Posted on by Beverly M. Hittle (PhD, RN)、Imelda S. Wong(PhD), Claire C. Caruso(PhD, RN、FAAN)
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